強制わいせつ:「女児がウソ」52歳被告に無罪 函館地裁

 北海道函館市で05年6月、知り合いの小学4年の女児(当時10歳)にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた同市湯川町、無職、阿部一宏被告(52)に函館地裁の岡田龍太郎裁判官は23日、無罪(求刑・懲役2年)を言い渡した。弁護側は「女児の供述は変遷しており不自然。全くの虚偽を述べている」と無罪を主張し、全面的に争っていた。

 阿部被告は05年7月5日、この女児らに対する別の強制わいせつ容疑で函館中央署に逮捕され、同26日に今回の事件で再逮捕された。両事件ともに容疑を一貫して否認したが、函館地検は2件目の事件で同8月16日に阿部被告を起訴。最初の事件は同10月20日に不起訴とした。

 岡田裁判官は「被告が女児にわいせつな行為をしたと認定するには合理的な疑いがある。女児が虚偽の供述をしているのではないかという疑念を払しょくできず、信用性に疑問が残る。犯罪の証明がない」と指摘した。

 無罪判決が出た今回の事件は05年6月19日午後8時ごろ、阿部被告が自宅アパートに女児を無理やり連れ込み、女児が13歳未満と知りながらわいせつな行為をしたとされた。【佐野優】

 



◇一貫して容疑否認も

 容疑を否認し続けた阿部一宏さんの拘置期間は1回目の逮捕から約半年に及んだ。無罪判決後、傍聴席では阿部さんの関係者が「良かった」と小さく声を上げ、すすり泣きが聞こえた。阿部さんや阿部さんの弁護人は「警察などの捜査は女児の供述に偏っていた」と捜査手法を批判した。

 阿部さんは判決後、報道陣の取材に応じ、「少し不安はあったが、ほとんど無罪だと思っていたので(逮捕から)2年間頑張ってきた。判決に驚きはなかった」と話した。警察などに対しては「女児はうそをつかないという前提で最初から調べていた。冷静で偏らない捜査をしてほしかった」と不満を語った。

 主任弁護人の前田健三弁護士は「妥当な判決だ。警察や検察が少女の供述をうのみにしたことが一番の問題だ」と批判した。

 一方、函館地検の石井隆次席検事は「証拠を正しく評価しておらず、意外な判決だ。上級庁と協議し、控訴するか決めたい」とのコメントを出した。【佐野優】
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by projects-ex | 2007-05-23 20:04 | 切り抜き


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