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宮台さんは、
豊かになって価値観が多様化し、「幸せとは何か」が各人各様に異なる現在の社会を「成熟社会」と呼ぶ。「重工業中心の経済成長が終わり、サービス産業中心になるのが成熟社会。家族や地域の相互扶助が、市場や行政に肩代わりされ、生活世界が空洞化します。それまでは、生活世界にとって善きことが、人生や社会にとって善きことでした。生活世界が空洞化すると、何が善きことなのか分からなくなります」と説明する。「また、社会が不透明になります。上昇した利便性を支える仕組みが不可視で、リスクや利権が把握できなくなります」。

 成熟社会は物質的に豊かで情報量も多い。一見すると人々がますます自由になるように見えるが、宮台さんはこう分析する。「選択肢が増えると、選ぶ能力が必要になり、失望も増えます。選択の失敗が傷の源泉になるので、選択から退却する人もでてきます。また、選べるということは人も物も入れ替え可能になること。自分が何者で、どこが地面か分からなくなります」。それが引きこもりやニートをもたらすのだと言う。
by projects-ex | 2005-08-03 07:09


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