虐待死最悪ペース 検挙も3年連続増 大半3歳以下
12月30日8時0分配信 産経新聞


 警察庁によると、児童虐待防止法が施行された平成12年、94件だった児童虐待事件の検挙件数(上半期)は、15年まで減少した後、16年から3年連続で増加、今年は120件となった。虐待され続けた子供が死に至るケースも26件に上り、いずれの数値も12年以後、最悪ペースで推移した。

 



「なつかない」「夜泣きがひどい」「しつけのため」「子育てに自信をなくした」…。虐待で逮捕された親の口から漏れる動機には、親として必要な“何か”が決定的に不足していることがうかがえる。

 警察庁では、16年に発生した49件の児童虐待死事件を詳細に分析。死亡した児童は51人に上った。年齢別にみると、「1歳未満」が17人、「1歳」が10人、「2歳」が7人、「3歳」が5人。全体の76・4%にあたる39人が3歳以下だった。

 警察庁関係者は「3歳以下という、幼い子供が最も慕い、甘えたい対象である実母によって虐待死させられる子供が多いことに、強い衝撃と憤りを覚える」と話す。

 子供が死亡した虐待事件で摘発された保護者は計61人。このうち殺人で立件されたのは21人で、実母が14人、実父4人、養父母1人-などとなっている。警察庁幹部は「かわいいはずの子供への愛情が、何をきっかけに殺意に変わっていくのか。それとも、最初から愛情が薄いのだろうか」。

 警察庁は9月から児童虐待が疑われる家庭に対する警察の立ち入りを積極化。厚生労働省との連携を強め、都道府県警や警察署レベルでも自治体、児童相談所との情報交換を緊密にするよう通達を出した。

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 ■「現代社会の根深い病理」

 児童虐待の実態に詳しい才村真理・帝塚山大学心理福祉学部教授(児童福祉学)の話「児童虐待は家族の構造的な問題であることが多く、配偶者間暴力(DV)とも密接に関連している。被害児童を児童相談所が保護すると虐待している保護者が強く抗議し、時として行政側を相手取って訴訟を起こすことがあるが、これは愛情からではない。子供への虐待が夫婦の共同事業となり、それを媒介として夫婦間のきずなを維持するための行為として組み込まれているのだ。被害児童が施設に保護されれば、DVや他の兄弟姉妹への虐待が起きる。児童虐待の深刻化の背景には育児に行き詰まった親を社会として補助し、導けないことがある。育児問題の解決方法が分からない親は子供と真剣に向き合えず、遊べず、育児の大切さや忍耐の必要性も理解できない。虐待する親自身も被虐待体験がトラウマになっていることが多い。複合的、構造的な問題が世代を継いで再生産されるのが児童虐待で、現代社会の根深い病理といえる」
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by projects-ex | 2006-12-30 15:06 | 切り抜き


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